ロングトレイル、単独行、山小屋生活。若き山の男、ソータくんに突撃取材(1/2)

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こんにちは、アウトドアマンのしょーま(@shoma_act)です。

アウトドアマン100人インタビュー企画第3弾はソータくん。2018年夏に白馬山荘で4ヶ月働き150キロ以上の長期縦走もする若き山の男

「好きなことで生きていく」

誰もが憧れる生き方だし、これからの時代はそんなライフスタイルで生きていく人が増えていく。”好き”や”やってみたい”という自分の感覚に正直に山を軸に生きるソータくんにお話を伺いました。

前編(1/2)ではロングトレイルやソロ登山、ソータ君について。後編(2/2)は山小屋での生活についてです!

150キロのロングトレイル、ソロ登山、山小屋生活。ソータくんとは

ーーー早速ですが、白馬山荘で働くまでの経緯を教えてください

栃木県、足利市の出身で地元の工業高校を卒業して、神社やお寺を修復する会社に就職しました。職業柄現場での仕事になるので、退職するまでずっと日本各地に出張してましたね。そこで3年働いて今年の春(4月)に退職しました。そして6月初めから白馬山荘に入ったんです。

ーーー神社やお寺を修復する仕事とっても珍しいですね。山を始めたきっかけは?

登山始めたのが高校3年の9月。高2の時に原付の免許を取って一人で温泉や廃墟巡りをしていたんです。6月に廃墟の関係で水上に行った時にたまたま残雪の谷川岳の姿を見たんです。それがすごいかっこよくて、あの山に登ったら気持ち良さそうだなと思ったのがきっかけですね。そこからインターネットとかで調べて、その年の9月に谷川岳に登りました。

ーーーそこからソータくんの山ライフが始まったんですね。

はい、今まで見たことない森林限界を超えた景色や、天気の移り変わり、雲が流れる感じに本当に心が打たれました。山の上でカップラーメンを食べたりして、登山ていいなって思いましたね。

ーーーもともとアウトドアが好きだったんですか?

登山自体は未経験でしたが、父もアウトドアが好きで子供の頃にキャンプに行ったり自然に触れることが好きでした。家の目の前に川が流れているというのもあって小学生の頃に釣りを、中学生の時には本格的に渓流釣りを始めたんです。原付の免許を取ってからは源流の方に行ってイワナ釣ったりしてましたね。

家からも見える一番短な百名山が赤城山で、谷川岳に登った後すぐに赤城山も行きました。そして、日光白根山や地元の低山など高校生の頃は単独で行ってましたね。

ーーーソロで登山を始めたんですね!

もともと一人でぶらぶらするのが好きだったんです。霊感とかないんですけど、中学生から廃墟の写真集を見たり、廃墟の退廃的でノスタルジックな哀しい雰囲気がすごく好きで、高校生になって原付を手に入れて、一人で廃墟に行ってました。

ーーー(変わってるなぁ。面白すぎる)

そんな感じで釣りや温泉、廃墟も一人で行っていたので、山に一人で行くのにも抵抗は無かったです。社会人になって仕事で出張や単身赴任をしていた時も一人で山を回ってました。去年は福井県に一年いたので白山や立山や荒島岳に行ったり雪山やテント泊も始めました。

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ーーーひ、一人で登山始めて、テント泊や雪山もソロで始めたんですね。

はい、全部一人ですね。社会人になって車を持っていたので休みの日に一人で山登る生活を三年間していたら、山にのめり込むようになって。去年の時点で仕事はもうやめようと思っていたので、その頃には山小屋で働きたいという思いがありましたね。

ーーー人が嫌いなんですか?

嫌いではないですよ。笑 人混みは苦手なのでシーズン中のメジャーな山の一般的な登山道とかはいかないですが。山の中で一人で歩いて考え事をするのが好きで、仕事のことだったりとか自分の中の気持ちの整理をしてます。それで一人で行くことが多いですね。

ーーーグループ登山はどうでした?ACTIBASEでも一緒に行きましたが

写真も山もやってる山友達ともSNSで繋がって一緒に行ってみたらすごい楽しかったので、その後も何回か行きました。今はグループとソロが半々くらいの割合で登山してます。

もともと一人で始めたので人と行く機会がなかったんです。一緒に登るのは新しい発見があったり情報交換ができたり、話したりとかすごい楽しくて今まで知らなかったので新鮮な感じです。みんなで行くのも楽しいし、一人で歩くのも楽しいですね。

ーーーソロ登山とか一人でどこか行く時にさみしいなーとか孤独感は感じないの?

避難小屋や広いテン場で誰もいなかったら心細い感じとか不気味な感じとかありましたが、慣れちゃうと逆に一人でラッキーって思うようになって。

長期縦走で吉野から大峰山脈を縦走して海まで抜ける150キロのロングトレイルをソロでしたんですけど、丸一日人と会わなかったり、広い避難小屋に一人だけで泊まったりしたんですけど、全然孤独感はありませんでした。

ーーー強いなーっ。ソロ登山ならではの楽しみって何ですか?

単独でいくと他の人とのコミニュケーションが生まれるんです。今までもいろんな出会いがあって、残雪が多く人が少ない5月の白山では、下山中におじさんに話しかけられて会話が弾んでそのまま一緒に下山して、街で焼肉と温泉おごってもらったこともありました。

ーーーコミュ力がすごすぎる。ソータくんならではの魅力もあるんですかね。話しかけてみたいというか。

僕はもともと人見知りなんですけど、山にいるとそんなの関係なく自然と会話が生まれるんですよね。二十歳ぐらいで一人で山に来ている人はそんなに多くないので、一人で写真撮ってたりぼーっとしていると話しかけてくれることが多いです。

総距離150キロのロングハイク

ーーー登山スタイルについてもお伺いしたいです。一番大変だった登山を教えてください。

6日間で大峰山脈を100キロ歩いて熊野本宮について、そこから那智まで海を目指して熊野古道をプラス50キロ歩いたんです。距離も日数も一番大変だったのはこれですね。

ーーー合計150キロ!先ほどさらっと流してしまいましたが、そんな長距離ハイクもするんですね。

道路じゃない山の上を歩いて街から街に繋がるっていうのにすごいロマンを感じて、縦走やロングトレイルがすごい好きなんです。5月には奥秩父の全山縦走をしようと思ったのですがリタイヤして、谷川の稜線50キロを歩いたりもしました。

撮影:ソータ君

ーーーご飯とかは?縦走中は調達できないですよね?

避難小屋はあるんですけど、営業している小屋はないので最初から全部ドライフードを持っていきました。一週間カレーメシとかになりましたが。

ーーー1週間カレーメシ!途中で「あれ食べたいな」とかなかったんですか?

いやぁ。すごい思いましたね。風呂も入りたいって思ったけど途中でもう良くなりました。服は全部メリノウールにして匂いを抑えてボディーシートで体を拭いてましたね。

ーーー(一週間カレーメシかつ風呂抜きってやばいなぁ)

でも避難小屋はソーラー発電しているので電気がついていたり、USBのコンセントが壁についてて充電ができたりなど本当に充実していて全然苦ではなかったですね。

ーーーなんて強い子なんだ。。ソロ登山ならではの危機管理はありますか?

ソロだと情報収集は最大限にやってますね。登山口までのアクセスや登山道の状態などをシーズン中だったら小屋に確認したりします。あとは最近ではインスタやツイッターなどのSNSもリアルタイムの情報も見れるので活用してます。ソロなので何かあったら怖いので、、

ーーー確かに一週間山に入っていたらいつどこで消えたかわかんないもんね。

はい、なので事前に情報収集することと、基本的なことだけど水と食料は多めに持ったり、ファーストエイド見直したりですね。あとはもちろん、事前に行くコースも知り合いや家族に連絡して置いたりなど大事です。

長距離縦走中のソータ君、川を横切る

ーーーなるほど、じゃあ今回の長距離縦走でも水はかなり持っていったの?

はい、水場が枯れていたり、水場って書いてあるけどただの沢だったり、落ち葉とヘドロが沈んでいるところだったり、それも事前に情報収拾して怪しいってことがわかっていたので、浄水器をもって行って沢の水くんだりしてましたね。

ーーー浄水器使って水調達ってなんか憧れるなぁ。山だと縦走が特に好きなの?

山に関してはなんでも好きです。写真を撮るためにのんびり山仲間と登山しに行くのも好きだし、一人でキツイコース行ったりとかもありますね。この前も甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根日帰りとかしました。景色見るのも好きですし、眺望がない樹林帯を黙々と歩くのも好きですね。雨の日に低山の樹林帯に行くのも好きで雨の音聞きながら森の中を歩いたりとかもします。

ーーー今まで良かった山は?

一番初めに登ったという意味でも谷川岳は自分の中で特別な存在で、一番好きなのをどれか決めるってなったら谷川岳ですね。

あなたが知らないグーグルマップの世界

ーーーソータくんは一年を通じていろんな山に行っていると思うけど、いつもどうやって山を選んでいるの?

グーグルマップです。元々地図を見るのがすごい好きで、小学生の時は読書の時間ずっと地図帳とか読んでました。今でも毎日グーグルマップの航空写真で色んなところを見たり、気になる所を拡大してみたりしてます。趣味はグーグルマップですってくらい好きです。

ーーーえ、グーグルマップで山を選ぶの?!

航空写真なんではっきり山頂の様子がわかるんです。ここは木がないから眺望が良さそうとか、この辺は池塘があって湿原になってるとか。

ーーーなるほど、それは新しい。楽しいかもしれない。

普段出かける時も必ずグーグルマップで行く場所を決めるんです。例えば廃墟にしてもグーグルマップの航空写真で探してますね。グーグルマップで誰も行ったことのない廃墟を見つけたりとかが楽しいですね。

ーーー目的地があってグーグルマップで調べるならわかるんだけど。どうやって探すの?

懸命にひたすら見ているとなんかここおかしいなとかこれ廃墟だろっていうのが結構あって、実際にそこに行って廃墟マニアの人でも見つけていない廃墟を見つけるんです!

ーーーどんな趣味やねん。

山や廃墟以外でも変な場所をグーグルマップで見ててこの辺の道歩いてみたいとか、航空写真で上から町並みを見てみたりとか道の感じとかみて、面白そうなとこがあったら実際にその辺を散策したりとかは高校生の時からやってます。今もグーグルマップに行ったところと気になっているところのピンがいっぱいありますね。

ーーー趣味のクセが強すぎる。。あなたがグーグル先生なんですか?

もう、グーグルマップがなくなったら生きていけないくらいの感じはありますね。グーグルマップがなかったら今までの山行もなかった。マイナーだけど良い山はグーグルマップを見ればいっぱい出てくるので。

ーーーグーグルマップで見つけて実際に行ってよかった山を教えてください?

長崎県の志々伎山(しじきやま)。佐賀に住んでた時に見つけて。低山なんだけど山頂がひらけているんです。グーグルマップは写真もあって口コミとかも載っているので、志々伎山見たら写真とかも上がっていて周りが海でとっても美しかったです。。

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本当は、山小屋のことを中心に聞くつもりだったのだけど、他のネタが面白すぎて長引いてしまった、次の記事に続きます!

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しょーま

ACTIBASE代表。年間80日山にいる男。日本百名山登覇。成蹊大学卒業後、山にハマり過ぎて2年間務めた会社を退職&ACTIBASE設立。1000人の若者登山コミニティを運営。アウトドアブランド『仙』を立ち上げデザイナーとして活動中。2017年に自伝を出す。




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ABOUTこの記事をかいた人

ACTIBASE代表。年間80日山にいる男。日本百名山登覇。成蹊大学卒業後、山にハマり過ぎて2年間務めた会社を退職&ACTIBASE設立。1000人の若者登山コミニティを運営。アウトドアブランド『仙』を立ち上げデザイナーとして活動中。2017年に自伝を出す。