【登山小説】ワケあり3人がヒマラヤへの挑戦。笹本稜平作『未踏峰』が面白い。

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こんにちは、ACTIBASE代表のしょーまです。

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アウトドアなど外で体を動かすことが大好きな僕ですが、一方で家でまったりと読書をする時間も好きなんですよね。

余談ですが、僕は伊坂幸太郎さんの小説が特に好きです。

でもやはり山が好きすぎて最近は山関連の本を選んで読んでます。

以前、不安や葛藤に登山を通じて向き合う山ガール達を題材にした小説『山女日記(湊かなえ著)』をご紹介いたしました。

関連記事:【人気登山小説】ドラマや文庫で話題の湊かなえ作『山女日記』を読んでみた

今回僕がご紹介するのは、『未踏峰(笹本稜平著)』という山小説です。

その感想とあらすじをご紹介します!!

※登場人物やその人が抱える悩みなどネタバレ要素も少し入っています。

登山初心者がヒマラヤ登山に挑戦!?笹本稜平著『未踏峰』とは

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ワケありの三人がヒマラヤの未踏峰に挑戦する山岳小説。

薬物依存からの犯罪、アスペルガー症候群、知的障害。それぞれの悩みを抱えた3人が北八ヶ岳の山小屋の亭主パウロさんと出会う。

人生の希望を失っていた3人に、ヒマラヤ未踏峰の初登頂という快挙を成し遂げることで生きることの意味を見出して欲しい。というパウロさんの思いから夢の実現に向けて山のトレーニングを開始する。

社会的に疎外され、登山をしたこともない3人がパウロさんとの約束のため、4人の共通の夢である未踏峰初登頂に挑戦する。

登山を通じてそれぞれが自分の居場所を見つけていく。そんな心温まるストーリーです。

基本データ

タイトル:『未踏峰』(みとうほう)

著者:笹本稜平

出版社:祥伝社

文庫:416ページ

価格:720円(文庫本)

発売日:2012/5/16

あらすじ

遺骨の入ったケースを胸に、それぞれに事情を抱える橘裕也と戸村サヤカ、勝田慎二の三人は、ヒマラヤ未踏峰に挑んでいた。彼らをこの挑戦に導いたのは登山家として世界に名を馳せ、その後北八ヶ岳の山小屋主人になった“パウロさん”だった。祈りの峰と名づけた無垢の頂きに、はたして彼らは何を見るのか?圧巻の高所世界に人間の再生を描く、著者渾身の長編山岳小説。

出典:祥伝社

『未踏峰』の著者笹本稜平さんとは

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僕は笹本稜平さんの小説を初めて読みましたが、描写がとても丁寧だと感じました。

この『未踏峰』が長編小説であるからかもしれませんが、登場人物の心情や風景などわかりやすいように書いてあります。

基本データ

名前:笹本稜平(ささもと りょうへい)
出身地: 千葉県
職業 :小説家
国籍 :日本
最終学歴:立教大学社会学部社会学科卒業
活動期間: 2000年 –
ジャンル :推理小説、冒険小説、山岳小説
主な受賞歴 :サントリーミステリー大賞(2001年)大藪春彦賞(2004年)
デビュー作: 『暗号―BACK‐DOOR』(2000年)

『未踏峰』から読み取れる”山に登る意味”とは

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皆さんは何のために山に登っているのでしょうか。

僕がなぜ山に登っているかというと、非日常体験という要素が強いです。。

普段では、見れない絶景や体験が山にはあるんですよね。

基本的にはピークハント(山を登頂すること)を目的にされている方が多いかと思いますが、他にも色々な楽しみ方があると思います。

  • 写真を撮りに行く。
  • お花を見に行く。
  • 自然を感じたい。
  • 運動をしたい。
  • とにかく岩を登りたい。

などなど、山の楽しみ方は多種多様です。

多くの登山家はより高い山、より難しいコースを選び登頂を目指します。

目立ったことが好きで注目を浴びたい。そのような思いがあると、標高が低くて技術的に容易な山には、関心を示しません。

一方で『未踏峰』に登場する主人公たちが登る山はヒマラヤではありますが、ヒマラヤの中では比較的標高が低い山で、難しいコースではないと記されています。

そこに登ったからといって、注目されるわけでも、何か利益があるわけでもありません。

この主人公たちは、パウロさんの思いを胸に約束を果たすためにヒマラヤの未踏峰へ挑みます。

この登山は彼らにとって『生きる意味を見出すこと』なのです。

料理や天候予測、隊の統率など登山をする中で、自分自身の役割を全うし人から必要とされる素晴らしさを実感していきます。

社会から疎外されても、必ずどこかに自分の居場所はあると証明する行為なのです。

登山の楽しみ方はこれからも多様化していくと思います。

登山とはこういうものだと決めつけず、それぞれの思いを尊重しあえる環境がいいですね。

”人生そのものがそれぞれにとっての未踏峰”

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この言葉はこの小説の最後にある言葉です。

人はそれぞれ悩みや問題を抱えていて、性格も違います。

全く同じ人間なんていません。人生に正解なんてないんです。

だからこそ周りや社会に惑わされず、それぞれのペースでそれぞれのスケールで自分の信じる道を歩んでいけば、いや、自分自身の未踏峰を登っていけばいいのだと思います。

この小説からそんなことを考えさせられました。

山好きはもちろん、何か挑戦することに躊躇している方人との違いに疑問を抱き自分の居場所がわからないと思っている方に、是非一度読んでいただきたいと思います。

以上、山小説『未踏峰』の紹介でした。

 

—あなたの居場所はここにある—

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しょーま

ACTIBASE代表。年間80日山にいる男。日本百名山登覇。成蹊大学卒業後、山にハマり過ぎて2年間務めた会社を退職&ACTIBASE設立。1000人の若者登山コミニティを運営。アウトドアブランド『仙』を立ち上げデザイナーとして活動中。2017年に自伝を出す。




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ABOUTこの記事をかいた人

ACTIBASE代表。年間80日山にいる男。日本百名山登覇。成蹊大学卒業後、山にハマり過ぎて2年間務めた会社を退職&ACTIBASE設立。1000人の若者登山コミニティを運営。アウトドアブランド『仙』を立ち上げデザイナーとして活動中。2017年に自伝を出す。