山の天候は、朝晩の冷え込みや突発的な風、強い日差しまで目まぐるしく変化します。そんなときに頼りになるのが、ACTIBASEの「soft shell shirt(ソフトシェルシャツ)」。ほどよい防風・撥水性や通気性、ストレッチ性、そして街にも馴染むシンプルなデザインを備えたこの一着は、あらゆるシーンでの体温調整をスムーズにしてくれます。
この記事では、アウトドアライターの岡田瑛穂が、フィールドテストで得た率直な感想とともに「soft shell shirt」の魅力を紹介します。次の山行に“ちょうどいい一枚”をプラスして、新たな快適さを手に入れてみませんか?
目次
そもそもソフトシェルって必要なの?
多くの方がまずそろえる登山ウェアは、特定の性能に特化したアイテムでしょう。防水性を求めるならハードシェル、保温性が欲しければダウンやフリース……そう考えると、ソフトシェルは購入優先度が下がりがち。なぜなら、ハードシェルほどの防水・防風性はなく、ダウンやフリースほどの保温力もないからです。
しかし、この「中間的」な立ち位置こそが、ソフトシェルの強み。ある程度の撥水・防風性を備えつつムレにくさや動きやすさを両立しています。要するに、何かに特化した一品ではないけれど「だいたいこれがあればなんとかなる」という使い勝手の良さが詰まった存在なのです。
行動中は暑くてTシャツで十分だけれど、休憩中や稜線上では風が冷たい。レインウェアを羽織るほどでもないけれど、もう一枚欲しい。そんなときにソフトシェルが便利です。特に、山行のたびにウェア選びに迷う人にこそ、ソフトシェルを試してほしいと思います。
シャツならボタンで温度調節OK!日焼け対策もおまかせ
ソフトシェルにもさまざまな形がありますが、シャツタイプは体温調整やコーディネート性の高さが大きな強みです。
シャツはボタンで通気量を調整できます。例えば、行動中はフロントを開けて熱を逃がし、休憩時や風が強い稜線上ではボタンを留めて冷気をシャットアウトすることが可能。また、袖口をまくれば腕周りの熱気を放出でき、少しの風を感じることで快適性を保てます。加えて、直射日光から肌を守ることができるメリットも。
さらに、ウールのベースレイヤーにシャツを重ねれば冬場の防寒性を高めることが可能。動き始めは肌寒く、登り続けると暑くなる……そんなコンディション変化に対して、シャツを一枚羽織ることで行動着をこまめに脱ぎ着する手間を減らせます。
そして、スポーティーすぎずシンプルなシャツは、下山後に街へ戻っても浮くことがないのもGOOD。コーディネートを選ばずに着られる汎用性があります。
着てみてわかった「soft shell shirt」の4つのポイント
ソフトシェルとシャツ、両方のメリットを押さえているのがACTIBASEの「soft shell shirt」。実際に着用して山を歩いてみると、さまざまな魅力がわかりました。
1. 撥水性・防風性があり風・小雨をしっかりガード
フィールドテストで驚いたのは、生地表面の撥水性です。水をかけると生地表面で水玉がコロコロと転がり落ちるほどで、朝露や小雨程度ならわざわざレインウェアを羽織らなくてもOK。完全防水ではありませんが、急な天候の変化に即座に対応できる心強い存在です。
薄手ながら防風性に優れているのもポイントです。フィールドテストを行ったのは、11月下旬の冷え込みが厳しい日。冷たい風が吹きつける場面もありましたが、シャツを羽織るだけで風が服の中に侵入するのをしっかりと防いでくれ、体温が奪われる心配がありませんでした。一年を通して「もう一枚、何か軽く羽織れるものが欲しい」と感じるシーンで、頼りになる一着です。
2. サラサラとした着心地でオールシーズン対応
行動中に汗をかくと、一般的なシェルウェアは内部でムレが生じやすいもの。一方で「soft shell shirt」は着続けても不快感が少なく、サラリとした感覚が持続しました。
これは、生地裏側の細かな凹凸構造によるもの。肌とシェルの間に適度な空間が生まれることで、汗をかいてもベタつきにくく、ほどよく熱気を放出してくれます。
加えて、フロントに7つ付けられたボタンの開け閉めで換気量を調節すれば、直感的に体温調整が可能。登山中の行動が格段にスムーズになり、レイヤリングに気を取られることなく目の前の自然を楽しめます。夏季の高山では風除けの軽いアウターとして、春・秋・冬の低山ハイクや雪山登山では行動着として活躍するはず。
3. ストレッチ性&ラグランスリーブで急登もザックの着脱もスムーズ
ワイシャツのような”きちんと感”のあるシルエットながら、4方向にストレッチする素材を使用しており、ストレスフリーな着心地!さらに、肩に縫い目がない「ラグランスリーブ」構造を採用しているのも開発者こだわりのポイントです。
ザックを背負った状態でも縫い目が肌に当たったり突っ張り感を覚えることがなく、腕や肩回りの稼働域を十分に確保できます。実際の山行で、段差を大きく乗り越えるシーンやクサリ場での慎重な動き、ザックを背負う際にも煩わしさを感じることはありませんでした。
ラグランスリーブ構造には肩幅を目立たなくする視覚的効果もあり、着用時のシルエットがスッキリと美しい点も好印象でした。
4. ポケットレス×裏タグで超シンプル!山も街もOK
「美しい山シャツを作りたい」との思いから、ムダな装飾をなくしたシンプルなデザインもポイントです。ロゴは裏タグとして控えめに配され、ポケットも省くことで全体が洗練された印象に。グレーやカーキなど、ベーシックなカラー展開で、トレッキングパンツや山スカートはもちろん、ジーンズやスラックスなどともマッチします。
ボタンはすべて、パチパチと簡単に留め外しできるドットボタンを採用。スムーズに着脱でき、急な環境の変化にも素早く対応できます。また、生地がしっかりしているため、ボタンを外す際に生地ごと軽く引っ張っても問題ありません。こうした「ラフに扱える大らかさ」も、登山で使うギアとして重要なポイントです。
「これ一枚あれば大丈夫」と安心感をくれるシャツ
フィールドテストを通して感じたのは「soft shell shirt」は単なる登山ウェアの枠をこえた存在ということ。ストレスフリーな着心地と、街中でも浮かないスマートなデザインを両立しており、アウトドアを交えた暮らし全体を、より自由で快適にしてくれるギアだと実感しました。
ソフトシェルならではの撥水性や柔らかさを持ち、シャツならではの体温調節のしやすさやデザイン性を兼ね備えた「ありそうでなかった」一枚。山頂付近で吹き付ける冷たい風も、行動中の軽い雨も、そして普段の生活も、この一着でスマートに乗り切れます。
ACTIBASEがこの「soft shell shirt」に込めた思いは、機能性とデザインのどちらも妥協しないこと。一年の多くを山で過ごし、さまざまなウェアを試してきたメンバーだからこそ辿り着いた「答え」を感じられます。
登山初心者からベテランまで、幅広い層におすすめできる「soft shell shirt」。次の山行で「この一枚があってよかった」と感じる瞬間が、きっと訪れるはずです。
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